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It's Tokyo, C.B! 感想

It's Tokyo, Charlie Brown (Peanuts)

It's Tokyo, Charlie Brown (Peanuts)

  • 作者: Charles M. Schulz,Vicki Scott,Paige Braddock
  • 出版社/メーカー: BOOM! Studios
  • 発売日: 2012/11/06
  • メディア: ペーパーバック
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ずっと気になっていた”It's TOKYO, C.B!”、ついに購入して読んでみました。


あらすじは、日本の東京で行われる野球の親善試合にアメリカ代表として選ばれ、日本に行くことになったC.B達が、着物を着たり鉄板料理やスシ・うどんを食べたり盆栽や北斎の絵を見たりと観光しつつ試合にのぞみ...というもの。




BOOM! Studios出版、「スヌーピーと幸せのブランケット」にも携わったチーム("the Schulz Studio"というらしい?)が制作した描き下ろし漫画。
同じスタッフのためか、話のノリは「スヌーピーと幸せのブランケット」と同じかんじ。
絵が丁寧、オリジナルストーリーだけどキャラクター設定等原作に忠実、オモシロ日本文化が炸裂してるという充実した内容だと思います。


巻末で、ストーリー&作画、カバーイラスト担当のヴィッキー・スコットさん、印刷担当&制作責任者のペイジ・ブラドックさんが制作にまつわるインタビューに答えてまして、
それによるとこの本は「日本人が、ピーナッツで日本に関する話を見たいと言っていたのを聞いたから制作した」という。のちのち日本語訳されるんだろーか。
"the Schulz Studio"は、原作ルールに忠実がモットーらしいです。新キャラを出さず大人を出さず。そして60〜70年代の世界観で話をつくることにこだわりがあるそうで。そうかだからこの話のP.Pはまだスヌーピーを鼻の大きい変な子供だと思っていたのか。
ヴィッキーさん曰く「次に映画を作るとしたらサマーキャンプ話」(!)






以下、ネタバレありの全編感想 ↓

・冒頭、いつものように草野球に興じるギャングたち。
・ダメダメな試合を終えて「野球シーズンがこれで終わってよかった!もし誰か”野球”って言ったらボク叫ぶからな!」とぼやくC.B。
・そんな彼のもとへ”アメリカ大統領”から手紙が届きます。「君らの野球チームが国際青少年交流プログラムの我が国代表に選ばれたので、日本の東京で開催されるオープン戦に出場して」という。
・ルーシーはなかなか信じようとしませんが、手紙が透かし入りで大統領印があると確かめられます。
・大喜びするギャングたち。
・C.Bを胴上げしますが、お約束でうっかり落っことします。
・C.Bたちがイタリアに行くと聞き間違えたP.Pが、自分とマーシーもチームに加わって一緒にイタリア(間違い)へ行くと電話してきます。
・「P.Pが加わってくれたら絶対に勝てる!」と元気づくC.Bですが、よく考えたらP.Pはリンガー(競技不正参加者)です。良心の痛みがお腹にくるC.B。
・チームメンバーではありませんがウッドストックとサリーもジャパンへついて行きます。各自荷造りをする中、サリーは「子供のうちから責任を背負わされるのはイヤ」と荷物を持っていくのを嫌がり、頭につける替えのリボンだけポケットに入れます。
・フリーダ(冒頭のみ登場)、シャーミー(最後のみ登場)、ピッグペンその他は野球チームに入っているのに連れて行ってもらえませんでした。
・飛行機に乗る前、C.Bが一行に喝を入れようとしますがお約束で誰も聞いてくれません。
・機長はスヌーピー
・試合はどうなるだろう、と考えるC.B。ライナスに「もう100回以上負けてるのに”勝てるかも”って望みを捨てない君は、ボクの知る中で一番の楽観主義者だ」と言われてお腹が痛くなります。
・旅行中、観光ガイドブックを手放さないマーシーが解説を入れてくれます。
・機長がスヌーピーで、操縦士はウッドストック(飛び方もウッドストック式)。大丈夫かこの飛行機。
・日本に到着。ハトバスに乗ってまず観光。富士山から。
・東京のビル街を見て、「ショッピングしたい!!!」と大興奮するパティ&ヴァイオレット。
・ホテルのロビーにあったグランドピアノに大興奮するシュローダー。
・ホテルのサービス(?)で、ギャングたち一人一人にKIMONOが支給され、それを着て東京の街を歩くことに。
・鉄板料理のレストランで夕食。スヌーピーがシェフコスで包丁芸を披露し、店からつまみ出されます。
・追い出されたスヌーピーウッドストックは、スシ屋に入ります。ウッドストックはスシネタのカニと戦うのに必死で、一口もありつけませんでした。
・ホテルに戻り、就寝。着物が脱げなくて悪戦苦闘するC.B。
・そして試合当日。ホテル出発前に喝を入れるC.B。やっぱり誰も聞いてくれません。
スヌーピーウッドストックは夜どこで寝ていたかというと、神社の鳥居の上でした。
・盆栽ショップを窓から覗いて、小さな庭園を見て自分が巨人になったと思って恐がり、ライナスの脇の下に隠れるサリー。とルーシー。
・そのころ犬と鳥は、スモウ道場に行ってオラフそっくりのスモウ犬(巻末のヴィッキーさんによると、オラフ本犬らしい。放浪の旅の末に日本に辿り着いたらしい)と勝負することに。全く歯が立ちません。
・ギャングたち、国立美術館北斎の絵を鑑賞。盆栽ショップで盆栽を手に入れたようです。
スヌーピーウッドストック、空腹なのでレストラン探し。スシはもうこりごりなウッドストックうどん屋へ。そしてうどんにもからかわれ、丼の中に引きずりこまれて溺れかけます。
・さていよいよ試合。意気込むC.B。ガイドブックから目を離さないマーシーが「日本文化では、ある人物が負けたとき、その人のみならず一族全体の恥になる」と解説。お腹がいたくなるC.B。
・相手チーム(シルエットのみの登場)を見て、「ホセ・ピーターソンがいる!」とP.P。そっくりさんなのか本人なのか不明。自分のことを棚に上げて「あんたリンガーになるなんて恥ずかしくないの?」と怒ります。
・おや? 空の様子が..
・試合中、活躍するのはP.Pのみというヘッポコぶり。
・誰かがものすごく野次を飛ばしてくる..一体誰だ? あれ?英語? と思ったら自分の妹だったC.B。
・野球のバットを日本刀に見立てたショーグン・スヌーピーがピッチャーマウンドに立ちます。おそらく本作一番の見せ場。刀でボールをスパッという心象イメージが格好良い。
・雨が降ってきた上、C.Bがクソボールでアンパイアをぶちのめしてしまい試合中止に。
・自分をボロクソにけなすギャングたちに向かって、C.Bは微笑みます。「ともかくボクらは負けなかった」
・「勝てなかったけど、負けもしなかった」という前向きなとらえ方で元気よく帰国したギャングたち。でもやっぱり心中複雑。(というのがオチ)
・巻末の和傘をさした三人娘(ルーシー・サリー・ヴァイオレット)のイラストが素敵。あきらかにスコットさんの絵なのにサインはSchulz。"the Schulz Studio"って意味か。




ヴァイオレットの服の色(&着物の色)とか、話がかみ合わないテンプレなルーシー/シュローダーとか、所々でさりげなくC.Bをかばってるマーシーとか、ハシを好き勝手に使うギャングたちとか見所たくさんでした。
キモノ姿のピーナッツギャング達(日本国内でのグッズやCMでけっこう目にしますが、日本人じゃない人が描いた不思議なデザインのキモノ姿)だけでも一見の価値ありかも。